2020年4月1日より、改正意匠法が施行されました。
◇物品に記録・表示されていない画像が新たに保護対象になりました。(2条1項)
物品に関係なく、操作画像や表示画像の画像そのものも保護対象になりました。
◇建築物の外観デザインが新たに保護対象になりました。(2条1項)
土地の定着物であり、人工の構造物も保護対象になりました。
例えば、商業用建築物、ホテル、飲食店、住宅、工場、競技場、駅舎、橋梁
◇建築物の内装デザインが新たに保護対象になりました。(8条の2)
施設における内装空間も保護対象になりました。
例えば、店舗、事務所、宿泊施設、医療施設、客船、鉄道車両
意匠権の存続期間は「登録日から20年」が「出願日から25年」になりました。
(21条1項)
◆年間の出願件数および登録件数のみで計算した登録率
2016年度82%、2017年度86%、2018年度88%
◆意匠出願の権利化までの期間
2016年度7.0カ月、2017年度6.7カ月、2018年度7.0カ月
◆存続期間は25年で、今まで以上に特許より長くなりました。
◆特許の結果が出るまでの間、登録率が高く、権利化までの期間が短い意匠権で補うという
方法もご検討ください。
※参考資料「特許行政年次報告書2019年版」
本意匠の出願日から10年を経過する日前まで関連意匠の出願が可能です。(10条1項)
関連意匠を本意匠とする関連意匠についても、意匠登録を受けられます。(10条4項)
関連意匠の権利期間は本意匠の出願日から25年です。(21条2項)
本意匠の意匠権が消滅した後は、関連意匠を登録することはできません。(10条1項)
◆貴社で開発された製品や製品の部分は、時間の経過とともにバリエーションが追加される
ことがあると思います。そのときは是非、関連意匠出願をご利用ください。
旧法では、本意匠の意匠公報が発行される前日までが関連意匠出願の可能な期間でしたので
7~8カ月間しかチャンスがありませんでした。
しかし、改正意匠法では本意匠の出願日から10年以内まで延長されましたので、新たな製品開発の際には、関連意匠出願のご検討をお勧めいたします。